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EPSON MZ-500の累積標高は精度が低い!?
EPSON社のMZ-500のGPSログを入手する機会がありました。同じ時間帯にSuuntoのAmbit2にてログを採取してましたので比較してみました。
ルート:南アルプス 新倉ヘリポート→伝付峠→白峰南嶺→笹山(黒河内岳)→笹山ダイレクト尾根→奈良田
保利沢部分のログは、谷筋なのでGPSが捕捉しにくい状況です。所々ログが飛んでいます。(赤色がMZ-500。緑色がAmbit2)
次に稜線は、両者ともほぼ一致しています。(赤色がMZ-500。緑色がAmbit2)
両者とも緯度・経度の精度は互角と思われます。
次に標高図です。まず、Ambit2。正確な標高を示していて、上下のぶれも少ないのが分かります。
MZ-500のほうは、前半の谷筋部分が大きく上下しているのが分かります。実際に歩いた感じでは、ほぼ登り調子で、それほどのアップダウンはありませんでした。沢沿いですので、何度か高巻きしたりで下る場面もありましたが、この標高図ほど大きくアップダウンしませんでした。
MZ-500は、気圧高度計とGPS高度計のハイブリッドタイプですので、GPSの精度が良くない状況では、GPS高度の誤差で悪い方向にずれてしまうと思われます。
一方Ambit2は、上昇/下降中、気圧高度計。長い時間停止(休憩)しているとGPS高度計により気圧誤差を校正(Automaticモード)します。GPS高度計は、相対誤差が大きいためこのような方法で累積標高の精度を高めていると思われます。
後発のEPSONは、GPSチップがみちびき対応ですので、みちびき衛星の数が増えれば精度を増すことが期待できます。しかし、まだまだ内蔵ファームウェアのチューニングが甘いため、累積標高に大きなずれが生じていると思われます。
なお、絶対標高は、MZ-500のほうが正確でした。山頂でMZ-500が数mの誤差に対してAmbit2は10m程の誤差でした。
■各区間での累積標高の差
MZ-500 累積標高 |
Ambit2 累積標高 |
差(m) | 差(%) | |
新倉-伝付峠 | +1,842m | +1,454m | 388m | 27% |
伝付峠-奈良田越 | +380m | +330m | 50m | 15% |
奈良田越-笹山 | +765m | +802m | 37m | 5% |
笹山-奈良田 | -1,933m | -1,881m | 52m | 3% |
※ 追記(2015/10/15)
今回使用したMZ-500のファームウェアのバージョンは、01.00.03 でした。
2015/9/16に、EPSONのサイトにてVer. 01.01.00 がリリースされています。readmeに、不具合対応として「・累積上昇・下降標高が実際より大きく計測される不具合を修正しました。」という項目がありますので、すでに対策済みと思われます。
http://www.epson.jp/dl_soft/readme/21123.htm
Ver up後のファームウェアで精度がどれほど良くなるか、後日検証してみたいと思います。