EPSON MZ-500の累積標高は精度が低い!? その2
「EPSON MZ-500の累積標高は精度が低い!?」の続編です。
ファームウェアのバージョンが、01.01.00 になった状態で、累積標高の精度を検証してみました。
ルート:西丹沢 神ノ川ヒュッテからの周回。神ノ川ヒュッテ~犬越路~(丹沢主稜)~檜洞丸~源蔵尾根~広河原~地蔵尾根~姫次~袖平山~風巻尾根~神ノ川ヒュッテ。
沿面距離(GPS): 21.6 km
累積標高差(高度計):+ 2,393 m、- 2,383 m
まずは、GPSの軌跡。
■神ノ川ヒュッテ~犬越路
ここは、沢沿いの谷間ですので、ログの乱れが多少あります。
赤:MZ-500。緑:Ambit2。青:SH-01F(スマートフォン)
■犬越路~檜洞丸
稜線の縦走路ですので、ログが揃っています。
赤:MZ-500。緑:Ambit2。青:SH-01F(スマートフォン)
■広河原
比較的開けた谷間から、徐々に狭い谷になっています。
MZ-500とAmbit2はかなり乱れています。スマートフォンが実際に歩いたところとほぼ同じです。ちなみにスマートフォンは、ショルダーポケットへ下向きにしまっておいた状態です。
広河原では途中5分ほどの休憩をしています。ここでAmbit2は、高度のキャリブレーションがされている可能性があります。
赤:MZ-500。緑:Ambit2。青:SH-01F(スマートフォン)
■MZ-500の標高図
広河原の乱れが、標高図にも現れています。
■Ambit2の標高図
広河原の乱れはありません。また、最後の林道部分も滑らかです。
■気圧高度計(ポラールRS-800CX)の標高図
純粋な気圧高度計の標高図になります。
■各区間での累積標高の差
各ログのポイント数は、カシミール3Dの間引き機能で1532ポイントに揃えてあります。
MZ-500 累積標高 |
Ambit2 累積標高 |
気圧高度計 累積高度 |
MZ-500と Ambit2の差 |
沿面距離(※) | |
神ノ川ヒュッテ~犬越路 | +534m | +529m | +508m | 5m | 2.1km |
-24m | -12m | -5m | 12m | ||
犬越路~檜洞丸 | +639m | +698m | +662m | 59m | 3.7km |
-109m | -149m | -146m | 40m | ||
広河原 | +244m | +76m | +39m | 168m | 0.7km |
-182m | -41m | -17m | 141m |
※ 各ログによって異なるので、3つのログの平均値とした。広河原のみSH-01Fの緯度経度と、気圧高度計の高度部分をマージしたものを記載。
■評価
全行程での累積標高は、MZ-500とAmbit2とも 2,390mとほぼ同じでした。(気圧高度計は2,290m)
MZ-500のファームウェアが01.01.00になったことで、精度が上がってると思われます。ただし谷間などGPSの測位誤差が出る部分では、水平移動にもかかわらず、高度が必要以上に上下する現象は相変わらず変わっていません。
EPSONのエンジニアが、この現象を認知していて、改善する予定であれば、この後のファームウェア・バージョンアップによって精度が良くなることが期待できると思います。